Document参考資料
2022.08.08
講演会
講演会 ヒロシマからフクシマへ 2015.8.6 抜粋
後から思い出すと放射能の病気が起って、火傷で死んだのではなくその病気のために死んでいったのです。放射線の影響で、内蔵がやられてそれで死んでいくのだというのがわかったのは、アメリカが入ってきて、9月の中ごろになってからです。はじめて、僕らの知らない放射線という新しいエネルギーが、人間の体を中から殺したのだということが、少しずつわかるようになってきました。自分で勉強のために覚えを書き残しますが、その中身を日本の偉い博士という人たちに見せましたが、これは、放射線という新しいエネルギーの影響であるということを教えてくれた日本の学者は一人もいませんでした。
それを、学問的にはっきり教えてもらえたのは、30年たって国外に訴えにアメリカに行った時に、アメリカのピッツワード大学のレントゲンの教授をしていたスタングラズです。先日、90数歳で亡くなりました。私よりちょっと若いのですが、この人が本の中に放射線のエネルギーが体の中で、内蔵を中から殺すというということを書いていたのです。それをもらってきて訳して30年後に日本で初めて、放射線が人間を殺すのを診た経験を本に書いて出しました。アメリカは、ウラニウムという核物質から出る放射線のエネルギーを材料にして爆弾をつくり、それを実際に人間に使ってみて実験をしたのです。それが、広島だったのです。広島の被爆者は、核兵器をつくった国の実験材料だったのです。人体実験をされたのです。私は、そう思っています。
アメリカが占領してから核兵器のこと、広島、長崎はアメリカの軍事機密だったのです。日本の学者が勝手に研究することは許さないということで、昭和27年までアメリカが軍事占領していたのですが、その間は、誰も表立って勉強できなかったのです。それがわかるとアメリカの憲兵が来て、中止しなければ逮捕するということで、日本の心ある学者は、誰一人研究ができなかったのです。
今、福島の問題で、「たいしたことはない」とか、「問題ない」と言って歩いている医者は、みんなそれ以上言うと捕まえられてしまい出世ができなくなってしまうので、みんなそれを言わなくなりました。アメリカの側に寝返ってご機嫌をとって出世をするというコースをみんな歩いています。だから、福島の後でテレビに出て、「たいしたことはない」とか、「心配ない」と言った学者が何人もいますが、あれはみんな大学で勉強を続けて、厚生労働省から予算が出て自分が研究できる地位を守るためです。内部に入ってきた放射線は、量が少ないから人体には影響はないと言うのです。
本当のことを言うと、量が少ないからではなく1粒入っただけで人間の体の胃や肺や腸など放射線の入った細胞のまわりがどんどん殺されて、その人は今の医学では治しようのない放射線病という病気で慢性の病気になるのです。20年も30年も一人前に働けない体で苦労するのです。みんなが言った1つの特徴ある症状が、「かったるい」でした。「だるくて働けない、ちょっと動くとすぐにだるくなる」というのが、医者に来た被爆者の訴えです。
放射線というのは、そういう害を与えるのです。未だに死んだ被爆者を解剖しても、ここがやられているというのは発見できないのです。世界中で、原発の放射線の被害を受けて癌で死んだり、白血病で死ぬ人はたくさんいますが、どういう理屈でどこがどう悪くなってこうなったという研究は、1つもありません。一生懸命にやる医者はいますが、わからないのです。
残念ですが、日本で53もの原発がつくられて、僕の計算では、その原発から1600m以内の人は、例外はあるでしょうが、全部が癌か白血病で死んでいくはずなのです。そんなことを言うと福島のたくさんの人が不安になりますから、これは言えないのですが、その可能性があるのです。今の医学では、放射線で病気が起きることはわかっているけれど、起きた病気がそのためだということを証明する医学がまだないのです。だから証拠が出せないのです。証拠の出せない殺人機械が53箇所運転をして、少なくても2~3km、10km以内で癌になる運命を持ちながら生かされている日本人がたくさんいるわけです。証拠がないので止めろということができないのです。情けないことに医学がまだ証明できないのです。
専門の医者として他の人がやらなかった放射線のことをやった日本では数少ない医者として、勉強して本を書いた医者として、広島と長崎に少なくても住んでいる方には、この地で、そういう恐ろしい人殺しをする新しいエネルギーがばら撒かれて、それが人の身体の中に入るチャンスがずっとつくられてきたということだけは、伝えて私の仕事にしたいと思っています。70年の節目に聞きに来ていただいてどうもありがとうございます。できるだけ長生きして下さい。来年は、99歳になりますが、私もそのつもりで100歳までは生きて、死ぬ時には広島の被爆医師が100歳まで生きたと新聞に出して死にたいと思っています。どうか皆さん、1日でも長生きして下さい。長生きすることが、原爆に勝つことなのです。だから後、20年、30年しっかり生きていただくということをお願いして私の話を終わります。どうも長い時間ありがとうございました。
質疑
肥田:小児科や産婦人科の先生方に、その問題について福島の原発事故の後に、たくさんのお母さん方から、「おっぱいをやってもいいか」などたくさん質問が行ったのです。その質問に答えると、実際に子どもが飲んで危険なほどの濃厚な放射線が、おっぱいから直接赤ん坊に伝わるということは、ぜんぜんないとは言えないけれど、みんなが心配するほどはない、どれぐらい危険なのかということは、経験がないのでわからないという回答を書いておられます。それが本当だと思います。僕らは、そういう疑いがあるものは、少なくても赤ん坊にはやらないに越したことはないので、他のもので間に合うのであれば、危険だと思ったらやっぱり飲ませない方がいいだろうと思います。はっきり、こういうふうに危険だという研究の結果が出ていないので、躊躇せざるを得ないのです。他のもので育てられるのであれば、そういう危険があれば、測ってみていくらか出るようであれば、極小さい間は、飲まさない方がいいだろうと常識的に僕はそう思います。